四十肩、五十肩

拘縮肩と凍結肩の違いとは?症状や改善までの期間を解説

「拘縮肩」「凍結肩」という言葉を聞いたことがありますか?

五十肩をはじめとした肩に関する疾患のさいに用いられる言葉なのですが、たまに拘縮肩と凍結肩の違いについて質問されることがあります。

今回はそんな拘縮肩と凍結肩の違いについて解説。

実際に、肩の痛みなどで拘縮肩や凍結肩という言葉を耳にしたことがある人は是非ご覧下さい。

拘縮肩と凍結肩は同じ意味!?

まずは結論から。

拘縮肩と凍結肩はどちらも肩が固まって動かなくなっている状態を表現していますが、厳密に言うと凍結肩は四十肩・五十肩に使われる用語になります。

一方拘縮肩は、四十肩や五十肩だけでなく腱板断裂や肩の骨折後に関節が固まって動きに制限がでるもの全てに使われる用語となります。

どちらも肩関節やその周囲の筋肉や軟部組織が硬くなってしまうことで、肩の動きが悪くなってしまう状態のことを指しますが、四十肩・五十肩後に起こる関節の拘縮

のみ凍結肩と呼びます。

確かに名前の通り同じ拘縮肩でも特に五十肩による拘縮肩(凍結肩)は腱板断裂や骨折後の拘縮よりも強く固まり、そして全ての方向に動きが制限されるのも五十肩の特徴であるため、凍結肩という言葉も、個人的には納得がいきます。

拘縮肩(凍結肩)はどんな原因で発症するの?

拘縮肩とは主に肩の怪我や五十肩などが原因で肩の組織に炎症が起こり、一定期間肩を動かせなかったことにより発症することが代表的。

拘縮肩は肩の炎症が強ければ強いほど、そして動かせなかった期間が長引くほど関節が固まる(拘縮)程度も強くなります。

凍結肩は先ほど述べたとおり五十肩による起こる関節の拘縮を意味します。五十肩に関してははっきりとした発症原因は解明されておらず、40~50代に多いことから四十肩・五十肩と呼ばれていますが正式名称は「肩関節周囲炎」という疾患名です。逆に言えば、何をした覚えもなく、40~50代で肩の痛みが徐々に強くなってきて、その後すべての方向に肩を動かせなくなってきたら、五十肩による凍結肩の可能性があります。

拘縮肩(凍結肩)の改善までの期間はどの程度?

拘縮肩に関しての改善までの期間は、骨折後、腱板断裂後など原因や炎症の程度、動かさなかった期間によって大きく変わるため一概には言えませんが、概ね半年前後は硬さが取れるのにかかります。特に腱板断裂や肩の骨の手術後に起こる拘縮は1年から2年ほど改善にかかることもあります。

五十肩後のいわゆる凍結肩も炎症の程度によりますが、万歳が90°も挙がらないほど固まる高度の凍結肩の場合、リハビリ通院していても関節の硬さが元の柔らかさまで戻らない人も多くいることが報告されています。

ただし、しっかりリハビリや整体などで通院している場合、関節が固まってから3ヶ月から一年までの間で概ね、改善しているケースが多い印象です。

この期間の差は、リハビリの頻度や固まりの程度にもよりますが、痛みを押した強引なリハビリをすることで症状が悪化するケースも多々あることから、リハビリの技術の差も改善期間には大いに影響があるかもしれません。

最近では医学の発展により関節の硬さをとるための注射(サイレントマニピュレーション、ハイドロリリース)とリハビリを併用して行うことも多く、従来よりも凍結肩並びに拘縮肩の改善する期間も短くなってきている傾向にありますので、拘縮肩(凍結肩)でお困りの人は肩の専門機関に受診し、相談することをお勧めします。

1日でも早く改善するために気を付けること

拘縮肩を1日でも早く改善するには「予防と治療」が必要。

まずは、肩の痛みを感じたらそのままにしておくことなく医療機関などで検査を受けましょう。

早期に痛みの原因がはっきりと分かれば適切な処置を行うことができます。

痛みが出たり、引いたりしている場合でも同じ。

痛みが引くと「治った」と感じる人が多いですが、そうではありません。

痛みが引いている期間はただ単に「症状が出ていないだけ」ということに過ぎません。

これは、虫歯と同様で、痛みが引いても虫歯が治ったわけではないですよね??

肩をはじめとした身体の痛みも同様で、もし痛みを感じたら身体のどこかが異常をきたしているというサインです。

1日でも早く適切な処置を行う必要があります。

また、拘縮肩(凍結肩)になってしまうと早く改善したいがあまりに自分自身で無理なストレッチや運動を頑張ってしまう人がいます。

自己判断でのストレッチや運動は症状を悪化させてしまう危険性も。

もし、ご自身で何かストレッチや運動などを行いたい場合は担当の先生やスタッフに必ず了承を得てから行うようにしてください。

まとめ

拘縮肩と凍結肩はどちらも肩の関節が固まって可動域が制限されている状態を指す用語だが、凍結肩は四十肩・五十肩後の拘縮に使われる用語。

炎症が強ければ強いほど、拘縮肩の症状も強くなり、治療期間も長引きます。

肩の痛みが強い人は我慢せず、早期に肩専門の医師がいる病院や肩の専門知識のある整体や接骨院に相談してください。

専門家のアドバイスをしっかり聞き、自分だけで頑張り過ぎないことが拘縮肩(凍結肩)を早く改善させる一番の特効薬となります。

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市川俊成

名古屋市で肩・腕専門のリハビリ整体院を運営中。国家資格である理学療法士免許と柔道整復師免許を保有している。病院での経験を活かし、五十肩や腱板損傷、手術後の肩の痛みなどの施術に力を入れている。

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